アクサの「実りの約束」という生命保険商品が複雑且つ巧妙に素人を混乱させてお得に見せているマジック
2010/03/03
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きょうはひな祭りです。
大丸で象屋でひなまつりセットの生菓子を買ってきました。先週金曜日に大丸で見かけて、あまりにおいしそうだったので、桃の節句まで待っていたというわけです。
派遣の人たちが増えたため、いろいろとヒヤリハットが増えてきたから、安全会議がありましたけど、予算をかけずっていう前提で話されるのは全く意味がないと思います。
親がりそなが販売しているアクサ生命保険株式会社の「実りの約束」とかいう変額個人年金保険について、入った方がいいか聞いてきたので、商品について見てみました。
大々的に年金と表には書いてあるけど、目論見書には生命保険商品書いてあるとおり、これは生命保険ですね。まず最初に 5% の寺銭を取られて、最大 10 年まで全く引き出せない積立期間がある金融商品を買わされます。新生銀行などで問題になったパワード定期みたいな感じかな。10 年間はなにがあろうと解約できず、解約すると多額の違約金が発生するというやつです。その間の金利は 2.5% 単利マイナス信託手数料なので、複利だと 2% ちょいってところですね。この積立期間の終了した時点での最終金額が、「解約しなければ」支払われる補償金となり「支払い確定金」となります。
ただし、ここですぐにこれが確定したからと言って、もらえると勘違いしてはなりません。おそらく、ご自身で全額使うのはかなり難しいでしょうね。
というのも、積立期間終了後には、一定の割合で別会計になっている特別会計を運用しながら、支払い確定金の 3% ずつが支払われていきます。支払われる額は、特別会計で運用しながら一生涯受け取ろうととするかぎり、3% を越すことが出来ません。なので計算をすると、支払い確定金を全額もらうまでには 100/3 = 33.3 となるため、最低でも積み立て終了後 34 年生きないとなりません。入られる年齢は 50 歳からですので、最低の 1 年積み立てだったとしても 85 歳までかかり、1 年積み立てだけではほとんど増えていないでしょうから、すなわち自分の預けたお金もその年齢まで取り戻せないことになりますね。で、りそなが進めてきたのは親が 64 歳で 10 年置いてからやりましょうと言ったので、ざっと計算しても積立期間終了が 74 歳で、それから 34 年もらい終わると 108 歳まで生きないならない計算になります。親は四年前に脳卒中で倒れていますので、とうていそこまで生きられるとは悲しいですが思えません。
よって、毎月年金としてもらえますよなんて甘い勧誘をされますが、本当のところはほとんどの人が死亡してから全額支払われる、「事前支払い型(生前給付型)生命保険」と考えればいいです。年金として給付されますよっていう甘い言葉にだまされると、自分のお金を死ぬまで人質に取られることになりますよ。
反論とすれば、運用が成功して最低支払金額が上がれば毎年支払いのある 3% 分も比率で多くなるのでもっと早くペイできると言われると思いますが、たとえ 2 倍( バブル時のような年利 10% で運用に成功 )になったとしても 17 年ですから、74 歳からだと 91 歳で、やっと自分の賭分を取り戻せる計算です。かなり自分の命に自信が無いと駄目なのがわかるでしょう。
なんども書きますが、解約しなければ額面上は損しません(運用会社がつぶれたときは知らない)ので、生命保険として子供に残したいというのであれば、葬式代分ぐらいの金額になるような範囲で入れておけばいいでしょうけど、将来年金がどんどん入ってきて、ウハウハというのが目的であればやめておきましょう。
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2010 年 03 月
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